Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
メタンフェタミン(MAP)とヘモグロビン(Hb)との相互作用を明らかにするべく以下の実験を行った. Wistar系雄性Rat(210-290g)にMAPを腹腔内投与(塩酸塩として25mg/kg)し,1,2,4及び8時間(各群3匹)後にエーテル麻酔下で採血,失血死させた.全血の一部から血漿試料を得た.また全血の一部から常法により溶血液を作製し,エタノール沈殿法によりHb試料を得た.各試料から液-液抽出法によりMAPを抽出し,トリフルオロアセチル化後,ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)で定性及び定量を行った. まず全血及び血漿試料中のMAP濃度を測定した結果,以下の知見を得た.MAPはラット腹腔内から速やかに吸収され,投与1時間後の全血及び血漿中で観察期間中最高値を示し,以後急速に減少することが示された.また各経過時間における全血と血漿試料中のMAP濃度を比較したところ、全経過時間において両者に有意な差は認められなかった.すなわち血漿中のみならず血球内にもMAPはほぼ同程度に分布することが示された. 次にHb試料の一部を1M NaOH(最終濃度)下で2時間,室温にて加水分解し,HClにて中和後,同様の方法でMAPを抽出,分析した.投与1時間後ではMAPはほとんど検出されなかったが(平均値としてMAP2.1ng/gHb),2時間後では濃度増加が認められ(同18.0ng/g),4時間後で最高値に達した(同34.0ng/g).投与8時間後では低下し,10.2ng/gとなった.以上の結果より,体内に摂取されたMAPの一部は血液中でHbと結合した状態で存在することが示された.またその反応は比較的緩やかに進行し,腹腔内単回投与後,血液中MAP濃度が既に減少期にある4時間後に最高値を示した.今後MAPが結合したHbの諸性質,特に酸素平衡機能への影響について解析を進め,覚醒剤中毒死の発症機序解明に役立てたいと考えている.
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