Project/Area Number |
07770333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 裕樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00264523)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 抗ICAM-1抗体 / キメラ型抗体 |
Research Abstract |
[目的]慢性関節リウマチの治療における抗ICAM-1モノクローナル抗体の臨床応用を目的に、抗ICAM-1抗体が免疫系の制御に及ぼす影響の検討を行った。当科において作製したキメラ型抗ICAM-1抗体cHA58は、ICAM-1とそのリガンドであるLFA-1との結合部位であるドイメン1を認識する抗体であり、接着分子の結合阻害を介した免疫反応の修飾が考えられた。 [方法・結果]ICAM-1産生培養細胞BM314に対し、抗ICAM-1モノクローナル抗体cHA58を投与し、細胞増殖、及びICAM-1発現(蛋白・遺伝子レベル)に及ぼす影響を検討した。cHA58 10μg/ml添加は、培養細胞の増殖に全く影響を与えなかったが、24時間後の培養上清中の可溶性ICAM-1抗原量を測定したところ、抗ICAM-1抗体投与により明らかに減少することが確認された。細胞表面のICAM-1分子のinternali-zation及びICAM-1遺伝子発現そのものの抑制が考えれたため、次にノーザンブロット法によりmRNAレベルでのICAM-1発現を検討した。cHA58処理により、ICAM-1 mRNA発現の低下が観察されたが、これらの結果は炎症性サイトカイン、特にICAM-1発現を強く誘導するインターフェロン存在下では相殺された。 [考察]ICAM-1ドメイン1に対するキメラ型モノクローナル抗体投与により、ICAM-1遺伝子の発現にdown regulationがかかることが証明された。このような現象は、他の抗ICAM-1抗体では認められておらずcHA58は生体内においてLFA-1との結合阻害のみならず、炎症細胞や血管内皮でのICAM-1発現を抑制することで抗炎症作用・免疫抑制作用を惹起する可能性が示唆された。現在、よりドメイン1との親和性が高いキメラ抗体の作製、及び対応するペプチドを用いたICAM-1発現抑制の可能性につき検討中である。
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