HCV特異的細胞障害性T細胞株のHCV変異株に対する細胞障害活性の検討
Project/Area Number |
07770378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 慢性肝炎 / C型肝炎ウイルス / T細胞受容体 / 細胞障害性T細胞 / 免疫学 / アンタゴニズム |
Research Abstract |
本研究は、C型肝炎の免疫学的機序を解析するため、我々が樹立したC型肝炎ウイルス(HCV) core抗原特異的細胞障害性T細胞株を使用して、HCVの変異がいかに生態応答に変移を加えるかを解析すること目的として行った。我々の持つHLAB-44拘束性のC型肝炎ウイルスcore抗原特異的細胞障害性T細胞株は、C型肝炎ウイルスの88より96のアミノ酸を最小単位のエピトープといて認識する。この最小エピトープを様々な患者にて、そのシークエンスを解析したところ、94のアラニンがスレオニンに変化する突然変異が見つかった。この変異ペプチドを合成し、それを標的とする細胞障害活性を見たところ、その細胞障害活性がもとのペプチドに対するものより、低下していることが観察され、エスケープ変異としての意味を持つと考えられた。 さらに今回のこの変異ペプチドがTCRアンタゴニズム作用をもつか検討したところ、もとのペプチドに対して、わずかに1/1000の量が入っただけで、TCRアンタゴニズムにより、細胞障害活性が30から40%落ちることが観察された。この現象を臨床の状態に即して考え合わせると、野性株のウイルスのある中、ごく少量のまたわずか1残基が変異したウイルス株が出現してきたとき、宿主のウイルスに対する攻撃全体がウイルスのTCRアンタゴニズムにより反撃を受けるという状態を想定させる。今回我々が見つけた変異は、大量にあるときただ単純に少し宿主よりの認識を受けにくくなるというだけでなく、野性株の中にごく少量ある時でも変異ウイルスによる反撃は非常に効率よく効くというメカニズムを引き起こす可能性を示唆している。 このメカニズムはウイルスが宿主の免疫学的サーベイを逃れて、慢性感染の状態を続けることが出来るというメカニズムの一翼を担っていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)