Project/Area Number |
07770402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
金子 宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60214467)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Heliccobacter pylori / ソマトスタチン / アンモニア / urea breath test / 除菌 |
Research Abstract |
Helicobacter pylori (HP) 感染による胃局所ペプチドの変動をラットおよびヒトで検討した。ヒトでは活動性の消化性潰瘍の存在が上部内視鏡検査で診断されHP陽性であった15症例に対し、了解のうえで除菌治療を2週間行い、その前後で胃組織、胃液を採取した。また、除菌判定に有用とされるurea breath test (UBT)を全例でおこない、明治薬科大学の協力もえて安価・操作容易な赤外分光計測定法の有用性も検討した。HP感染で胃局所のsomatostatin(SS)は低下し、HPによる粘膜傷害に関与することを以前明らかにしたが、今回の除菌前後での検討で除菌成功例ではSS濃度の上昇傾向、HP持続感染例(除菌失敗例)ではSS濃度の低値持続がみられた。結論をえるには症例の増加が必要であるが、もし有意な差が実証されればHP-SS link論が支持されるとともに、初めてSSの変化が潰瘍の治癒あるいは薬剤による二次的変化でないことが照明される可能性が高いと思われる。UBTの検討では、質量分析計と赤外分光計による測定法の間には良好な相関がみられ、多くに施設で将来除菌判定をする際、赤外分光計による測定が有用であることが示唆された。ラットに長期間アンモニア水を自由飲水させるとSS分泌低下と粘膜萎縮を来すことを以前報告したが、今回、摘出反転胃モデルの短時間培養系を用いて、アンモニアおよびPCR法でcagA陽性を確認した十二指腸潰瘍患者由来のHP株の液体培養上清および菌体のSS、gastrin分泌への影響を検討した。その結果、アンモニアは20分の接触でSS分泌を13%抑制し、培養上清も15%抑制した。しかし、菌体超音波粉砕成分は影響をおよぼさず、アンモニアおよびHPの分泌物がSS分泌に直接影響する可能性が示唆された。gastrin濃度の変動はこの系では見られなかった。今後は、分泌物のどの成分がSS分泌に影響したを検討する予定である。ヒトの検討結果は日本消化器病学会、ラットのは米国消化器病学会での発表に応募中である。
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