Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
【目的】ラット摘出潅流肺モデルにおいて1)潅流域に血小板が存在しない場合,静水圧上昇による肺障害(Mechanical lung injury)が惹起されるか.2)もし惹起されるとすれば,潅流液に血小板を入れるとmechanical lung injuryは抑制されるか. 【今年度の実施結果】ラット摘出潅流肺モデルを以下のように作成した.ラット心肺をen blocでとりだし,肺動脈・(左室を通して)左房にカニュレーションを行い,4%bovine serum albumin加EBSS液をもちいZone3の状態で潅流を行った.換気は5%CO2,35%0.2,60%N2の混合ガスを用いて換気回数60回/分,1回換気量3ml,PEEP2cmH20にて行った.潅流液のリザーバーは37℃になるように保温し,潅流肺重量を張力トランスデユーサーを用いて測定した.潅流圧を上昇させるため,肺動脈側,左房側のリザーバーを5cm上昇させ,肺重量の変化を記録した.横軸に時間,縦軸に単位時間あたりの重量変化を常用対数に変換してとると,2相に分別できる.後半を直線回帰し,時間0に外挿し初期濾過率を求め,これより濾過係数を計算した.一つの肺(n=1)について3回繰り返しその平均を求めた.血小板を含まない4%bovine serum albumin加EBSS液を用いた場合,濾過係数は53.2±(SD)5.2mg min^<-1> cmH2O^<-1> g^<-1>(n=5)であった.いずれの場合も,リザーバーの高さをもとに戻すと肺重量はベースラインに戻り測定可能であった.リザーバーの上昇を10cmにしても高さをもとに戻すと肺重量はベースラインに戻った.ところが,リザーバーを20cmに上昇させたのちリザーバーの高さをもとに戻しても肺重量はベースラインに戻らず,肺水腫が惹起された.血小板がない状態では20cmH20の静水圧でMechanical lung injuryが惹起されたと考えられた.今後,潅流液に血小板をいれてMechanical lung injuryは抑制されるか検討予定である.
|