急性肺損傷におけるリピドA類似体(B464)の効果
Project/Area Number |
07770431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
副島 研造 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30236145)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エンドトキシン / 急性肺損傷 / リピドA類似体 / B464 / 好中球 / TNF-α / 接着分子 / モルモット |
Research Abstract |
エンドトキシン(LPS)が急性肺損傷の引き金になることはよく知られており、特にこの活性中心であるリピドAが重要と考えられている。我々はモルモットを用いた実験系において、リピドA類似体であるB464によりLPSによる急性肺損傷が著明に抑制されることを確認した。またその抑制効果が主に好中球の肺組織への集積抑制に起因するものであることを、好中球と血管内皮細胞との接着および好中球の変形能におよぼすB464の効果をin vitroの系で検討することにより証明した。 モルモット実験系においては、B464前処置群ではLPS静脈内投与による血漿中TNF-α産生の増加、末梢血中の好中球数の低下ならびに肺組織、気管支肺胞洗浄液中の好中球集積が抑制され、肺湿乾重量比(肺微小血管外水分量)、^<125>1-標識アルブミンの血管外漏出量(肺微小血管透過性)の増加が抑制された。 in'vitroの系においては、B464はヒト単球からのLPS刺激によるTNF-αの産生を抑制し、Flow cytometryを用いて測定したモルモット好中球のLPS刺激によるF-actin量の増加(変形能の低下)を抑制した。さらにcell ELISA法を用いて測定したLPS刺激によるヒト臍帯静脈内皮細胞上の接着分子(ICAM-1、VCAM-1、ELAM-1)の発現を抑制した。 以上の結果より、B464は好中球と血管内皮細胞との相互作用ならびに好中球、単核系食細胞の活性化を抑制することにより、好中球の肺組織への集積を抑え、急性肺損傷の発症を抑制したものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)