Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
【目的】肥大型心筋症の成因におけるアンギオテンシンII&ナトリウム利尿ホルモン系の関与を明らかにするため、血漿心房性および脳性ナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP)、アンギオテンシンII(ATII)、心エコー所見、心血行動態を閉塞性肥大型心筋症(HOCM)、非閉塞性肥大型心筋症(HNCM)、高血圧性心疾患(HHD)、大動脈弁狭窄症(AS)、正常対照者(Control)の間で比較検討すること。【方法】対象は年齢を整合させたNYHA分類のI〜II度のHOCM(平均圧較差39±19mmH);15例、HNCM;15例、HHD;10例、AS(平均圧較差41±18mmH);10例、Control;10例。安静臥床後、肘静脈より採決した静脈血のANP,BNP,ATIIを測定した。ANP(pg/ml),BNP(pmol/ml)はRIA法、ATII(pg/ml)はflorisil-acetone hydrochloric acid法で測定した。心エコー図法にて傍胸骨長軸像の左室Bモード記録より心室中隔壁厚、左室後壁厚を、心臓カテーテル法にて左室拡張期末圧を測定した。【結果】疾患群(HOCM、HNCM、HHD、AS)ではControlに比べて有意にANP,BNPは高く、左室壁厚は厚く、左室拡張期末圧は高かったが、ATIIに有意差はなかった。疾患群のなかではHOCMにおいてBNP,ANP,BNP/ANP比がすべて有意に高かった。BNP,ANPの上昇と左室壁厚、左室圧、心室内圧較差の間に有意な関連は認めなかった。【結論】HOCMにおいてはBNP,ANP、特にBNPが特異的に上昇しており、圧負荷、心筋量からは説明できないことより、HOCMに固有のものと考えられた。また、このBNPの上昇はをATIIの上昇を介していないと考えられた。
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