Project/Area Number |
07770505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 充彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263237)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 内向き整流カリウムチャネル / ポリアミン / マグネシウム / 分子生物学 |
Research Abstract |
心筋細胞の内向き整流カリウムチャネルであるI_<K1>チャネルの内向き整流特性は、心筋細胞特有の持続時間の長い活動電位を形成する。この内向き整流特性は、チャネルの活性化ゲートと細胞内Mg^<2+>による外向き電流のブロックで生じる。ところがこの二つの機構は互いに排反的に作動し、この排反性がI_<K1>チャネルの生理的な外向き電流抑制の特性を決定している。活性化ゲートは、最近の我々の報告(Yamada,M.& Kurachi,Y.(1995)J.Biol.Chem.270,9289-9294)などから、細胞内ポリアミンによるチャネルのブロックで生じることがわかってきた。そこで、活性化ゲートとMg^<2+>の排反性は、ポリアミンとMg^<2+>のチャネル分子上の同じ部位に対する拮抗的結合によって生ずるのではないかと推測し、実験的に観察される外向き電流の抑制がこのモデルで予測できるかどうかを検討した。l_<K1>チャネルチャネルに相当する内向き整流カリウムチャネルクローン(IRK2)をヒト胎児腎臓由来の細胞株(HEK293T)に過剰発現し、マクロインサイドアウトパッチを作製した。このパッチ内側にMg^<2+>およびポリアミン(スペルミン)を単独に投与すると、Mg^<2+>は瞬時的、ポリアミンは時間依存的に外向き電流をブロックした。この結果からMg^<2+>、ポリアミンのチャネルに対する結合、解離速度定数を個別に求め、上記モデルを用いて両者共存下における外向き電流の抑制を予測した。するとこのモデルは、Mg^<2+>、ポリアミン共存下で実験的に観察される外向き電流抑制の時間、膜電位依存性をほぼ正確に予測した。したがって、I_<K1>チャネルの内向き整流特性が、ポリアミンとMg^<2+>間のアンタゴニズムで形成されることが解かった。この結果は近日J.Physiol(London)に発表される予定である。
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