銅輸送酵素の脳での局在とMenkes病の中枢神経霜害の解析
Project/Area Number |
07770608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
村田 佳子 帝京大学, 医学部, 検査員 (60256047)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Menkes病 / macularマウス / 銅輸送ATPase / in situ hybridization |
Research Abstract |
本研究において、Menkes病の病因遺伝子であるマウスのMenkescDNAから調整したRNAプローブを使用して、まず正常マウスの組織切片上でin situ hybridizationを行った後、AP標識抗DIG抗体で染色し、mRNAが検出される組織の部位や細胞の種類を明らかにした。またMenkes病患者と同様の症状を示すmacularマウスの組織切片でも同様の検討を行ない、macularマウスでの対応mRNAの異常を解析した。はじめに、Wilson病の病因遺伝子もMenkes遺伝子と76%相同のアミノ酸配列を持つCopper Transporting ATPaseであり、ノーザンブロット解析から肝にmRNAが発現していることが報告されていたためWiloson遺伝子とのクロス反応を心配したが、正常肝で発色しなかった結果よりMenkesのmRNAのみを検出していると判断した。そして、正常マウスでは、小腸粘膜吸収上皮細胞と腎の尿細管、PAS染色により確認した結果、特に近位尿細管にMenkes遺伝子mRNAが強く検出された。また、大脳では海馬の錐体細胞、脈絡叢上皮細胞で強く検出された。小脳においてはPurkinje細胞および顆粒細胞に認められた。以上の結果より、これらの細胞の銅輸送にMenkesATPaseが関与していると思われた。次に、macularマウスでも腎と小腸で同様の実験を行ったが、正常よりMenkes遺伝子mRNAの発現が顕著に弱かった。この結果はmacularマウスの病因が小腸での銅吸収障害であり、Macularマウスの小腸粘膜吸収上皮細胞と近位尿細管上皮細胞に銅の蓄積が起こっていることから、Menkes病の小腸、腎臓での銅の蓄積は各々の上皮細胞に存在するMenkesATPaseの欠損によるものと示唆された。脳においては、macularマウスも正常マウスと同様に発現していた。この結果Menkes患者の中枢神経障害との関連は現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)