Project/Area Number |
07770639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田畑 伸子 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (00270835)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / DHEA / IL-4 |
Research Abstract |
副腎由来の男性ホルモンの一つであるdehydr oepi andr oster one(DHEA)は、マウスTh1型T細胞のサイトカイン産生を促し、Th2型T細胞のサイトカインの産生を抑制することが証明されている。一方、ヒトのT細胞にもマウスのようなTh1,Th2型のT細胞が存在することが示されている。私たちは、DHEAがヒトにおいてもTh1型T細胞を亢進させ、Th2型T細胞を抑制するのではないかと考え、Th2優位のアトピー性皮膚炎の病態に関与している可能性を検討した。まず、20-30歳台の男性アトピー性皮膚炎患者の血清DHEAレベルを測定し、正常人と比較した。19歳から30歳までの男性アトピー性皮膚炎患者47人、年齢のマッチした男性正常人53人からほぼ同時刻に採血し、血清DHEA値を比較した結果、アトピー性皮膚炎患者の血清DHEA値は正常人に比べ有意に低下していた。次に、リンパ球のIL-4,IL-5の産生に対するDHEAの作用を調べるために、12人の正常人の末梢血から単核球を分離し、DHEAで前処理したものとしないものの間で、ConA刺激によるIL-4,IL-5の産生量を測定し比較した。この結果、DHEA前処理により、IL-4の産生量は低下することがわかった。IL-5については一定の結果は得られなかったが、前処理により低下する傾向があった。この実験で、私たちは、アトピー性皮膚炎のIL-4の産生亢進に対して、DHEAが調節因子として働き得ることを明らかにした。これは、ホルモンと免疫、アレルギーとの関連の一端を示し、複雑な発症要因をもつアトピー性皮膚炎の病態形成の解明に、新しい視点を提供するものと考える。
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