癌遺伝子発現の変化による放射線照射後、極早期の照射効果の検討
Project/Area Number |
07770718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 健夫 群馬大学, 医学部, 助手 (70241883)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 癌遺伝子 / 放射線 / 照射効果 / 早期 |
Research Abstract |
腫瘍の放射線感受性を予測するため、従来の分裂死を指標としたものではなく、アポトーシスとそれに関連する癌遺伝子の発現の変化に注目して、照射後極早期の照射効果について検討した。今年度はp53と細胞周期の開始に関与する癌遺伝子c-myc, c-fosについて検討し、照射後早期に出現するアポトーシスと癌遺伝子との関連について検討したので報告する。 細胞は当科で樹立した放射線感受性株であるNMT-1とこの細胞より得られた放射線抵抗性株のNMT-1Rを使用し、実験はin vitroで施行した。照射6、24時間後のアポトーシスの出現頻度とp53, c-myc, c-fosの発現頻度をNMT-1とNMT-1Rで比較検討した。照射24時間でNMT-1にDNAラダーの出現が認められたのに対し、NMT-1R(抵抗性株)では認められなかった。DNA fragmentation assayでも両者に明らかな差異が認められ、NMT-1(感受性株)でアポトーシスの出現が確認された。p53発現はNMT-1で照射後6時間で増加が認められた。early responding geneであるc-fosは照射前がいずれの細胞においても約30%程度の発現であり、照射後においても有意な変化は認められなかった。c-mycは照射前はNMT-1,NMT-1Rいずれにおいても約30%の発現であったが、照射後24時間でNMT-1のみに発現の増加(54%)が認められた。以上から放射線感受性株と抵抗性株の照射後、早期の変化はp53とc-mycで認められ、感受性株(NMT-1)で照射後、発現の増加が認められた。またこの変化は放射線誘導性のアポトーシスと強い相関があることが示唆された。 従来、分裂死では非常に困難であった放射線治療後早期の照射効果の予測に、癌遺伝子の変化が有用である可能性が本年度の研究で示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)