ガンマナイフにより悪性脳腫瘍治療の実験モデルに関する研究
Project/Area Number |
07770723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 恵一 東京大学, 医学部(病), 助手 (80188896)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ガンマナイフ / 定位放射線治療 / グリオーマ / 病理学的変化 / C6グリオーマ |
Research Abstract |
Wister系統ラット(SPE)照射時7週齢、雄を(照射時体重178グラム)の前頭葉の皮質下4mmの深さに直径0.5mmの金属球を埋め込み、これをアイソセンタとして治療計画を行い100Gyを照射し、1週間後に屠殺に供して、脳組織切片を作成して光学顕微鏡で病理変化を観察した。H-E染色では照射野辺縁部で空砲変性が認められ、クリューバー・バレラ染色では髄鞘の淡明化が明らかであり、脱髄が生じていることが示唆された。こうした脳組織の病理変化は計画された高線量域に極めてよく一致しており、ガンマナイフ照射の精度が実証された。この結果からステレオタクティックにC6グリオーマ細胞を移植して20Gyを照射し、2ヵ月後に同様の病理学的変化を観察した。移植にあたっては針を皮質下に留置してマ-キングを行い、それを位置的参照点とした。今回の実験では移植成功例数が限られていたので、全脳照射との併用は行わず、ガンマナイフ単独でグリオーマ組織の病理学的変化を観察した。照射野中心部では凝固壊死が認められ、血管壁は肥厚し、リンパ球やマクロファージの浸潤も認められた。凝固壊死の周辺部では反応性アストロサイトーシスおよび残存した腫瘍細胞が認められた。また、正常脳と同様に脱髄を示す所見が得られたほか、空砲変性も認められた。これらの結果から、以下の結論を導き得た。 1)ガンマナイフの精度は機械的には0.3mmと極めて優れるとされてきたが、この点が病理学的変化と治療計画上の線量分布との一致によって直接確認された。 2)グリオーマの治療においてはガンマナイフは腫瘍の中心部には著しい効果を示すが、周辺には腫瘍細胞の残存が見られるため、単独での治療では限界がある。通常の分割照射との補完的併用が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)