Project/Area Number |
07770761
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
権 五徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40170477)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 低線量放射線全身照射 / 放射線ホルミシス / 腫瘍免疫 / 細胞性免疫 / 食細胞系 / 好中球 / マクロファージ |
Research Abstract |
移植腫瘍組織に浸潤する免疫細胞に対する低線量放射線全身照射(LDTB1)の効果を調べる為、以下の実験を行った。(方法)8週令の雄C3H系マウスを全身照射群と非照射群の2群に分け、全身照射群のマウスにはネンブタール麻酔下で0.05Gyの全身照射を行った。全身照射4時間後に両群のマウス左大腿部皮下に、培養系で維持されていたEhrlich腫瘍細胞を移植した(10^6cells/mouse)。移植2、7、14日後に腫瘍組織を摘出し、組織の長径と短径、重量を測定後、免疫細胞の免疫組織化学及び酵素組織化学用には4%パラホルムアルデヒド液で固定した後、凍結切片を作製した。電顕観察用には腫瘍組織を4%パラホルムアルデヒドと5%グルタールアルデヒドの混合液で固定後、1%オスミウム酸液により後固定を行い、樹脂包埋後、超薄切片を作製した。(結果及び考察)移植2日後には固形化した腫瘍組織内に好中球、マクロファージの浸潤が認められた。全身照射群では非照射群に比べ、これら浸潤細胞の出現頻度が増加していた。全身照射群では好中球は腫瘍の深部に集合し、その周囲の腫瘍細胞は壊死に陥っており、壊死組織はマクロファージにより盛んに貪食されていた。全身照射群ではマクロファージの貪食像もより活発な像を呈していた。その後両群の腫瘍組織の大きさ、重量には有意な変化は認められなかったが、移植14日後では非照射群の腫瘍が充実性の状態を保っているのに対し、全身照射群の腫瘍組織内部は広汎な壊死に陥っており、多数の好中球、マクロファージの浸潤像が認められた。また、腫瘍周囲には多数のリンパ球が集合しているのが観察された。今回の研究により、LDTB1は移植後早期に腫瘍内に浸潤する食細胞系の出現頻度、活性を高めることにより、その後の腫瘍に対する免疫反応を強める可能性があるのではないかと推測された。
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