小児臓器移植にみられる精神障害の発病率に関する臨床研究-成人臓器移植との比較-
Project/Area Number |
07770816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
福西 勇夫 (財)東京都精神医学総合研究所, 臨床心理研究部門, 主任研究員 (80199257)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 腎移植 / リエゾン精神医学 |
Research Abstract |
臓器移植患者のなかでも、最も施工件数の多い腎移植患者とその次に多い骨髄移植患者を対象に、成人と小児の精神障害の発病率の比較検討を行った。本研究の対象は首都圏内における総合病院であるが、その患者構成は全国に分布しており、わが国の現状を把握しているものと考えられる。 小児腎移植では、分離不安障害と適応障害が全体の約3割にみられた。いずれも移植前の透析治療時における母子間の心理的密着など家族機能が密接に関与している可能性が示唆された。その一方、成人では家族機能も重要な因子ではあるが、それ以上に反応性のうつ状態、器質性精神障害であるせん妄などが多数みられた。小児と成人では精神症状の内容は明らかに異なる。今後増加傾向を辿るであろう腎移植において、メンタルケアの重要性が再確認された。そして、心身両面に及ぶチーム医療としての在り方に工夫の余地が残されているように推測された。 これに対して、骨髄移植に関しては対象症例数の蓄積が当初予定していたほどできずにまとまった成果をあげることはできなかった。しかしながら、現段階では無菌室内における拘禁反応を始めとした不安定な心理状態へのケアの必要性は確認し得た。今後も引き続き症例の蓄積を行い、まとまったデータを提示できるように努力していきたいと考えている。米国では移植精神医学(Transplant Psychiatry)という言葉もリエゾン精神医学や移植医療では認知されており、この種の臨床研究のますますの発展があるであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)