Project/Area Number |
07770818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和広 東北大学, 医学部, 助手 (80241628)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 視床下部 / コルチコトロピン放出ホルモン / ストレス / MCH / アドレノメデュリン / Neurofibromin / ヘムオキシゲナーゼ / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
視床下部・下垂体・副腎系はストレス反応において中心的役割を担っている。視床下部の室傍核の小細胞から産生・分泌されるコルチコトロピン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone,CRH)は、その中でも最も重要な働きをしていると考えられている。本研究では、第一にCRH産生・分泌に影響を及ぼしうる新しい因子の視床下部における同定、第二ストレス蛋白であるヘムオキシゲナーゼ1の転写調節機構の解明を行った。 1、Melanin-concentrating hormone(MCH)はサケ下垂体から発見されたペプチドであるが、本研究では、高濃度のMCHのヒト脳、特に視床下部における存在と、MCHmRNAのヒト視床下部での発現を証明した。Adrenomedullin(AM)は褐色細胞腫の腫瘍組織中から発見された血管拡張性ペプチドであるが、AMがヒト脳に広く存在し、視床下部では室傍核、視索上核、漏斗部に局在することを明らかにした。MCHは、ラット脳室内投与にACTH分泌の低下作用、AMは下垂体前葉の培養細胞からのACTH分泌の抑制作用が報告されている。MCHやAMは視床下部・下垂体系の調節に重要な働きをしていると考えられた。またneurofibrominは神経線維腫症1型の責任遺伝子にコードされている蛋白であるが、neurofibromin mRNAが視床下部をはじめとするヒト脳各領域で発現していることを証明した。Neurofibrominは、活性型ras蛋白を不活性化するGTPase activating protein(GAP)と構造上相似性をもち、それ自身もGAP活性を有する。Neurofibrominが視床下部の神経細胞の細胞内情報伝達に関わる可能性が示唆された。 2、ヘムオキシゲナーゼは、ヘムがビリベルジン、一酸化炭素(CO)、鉄に分解される際に働く酵素である。COはNOとともに、神経伝達物質として働く可能性が示唆されており、視床下部にてCRH分泌調節作用も報告されている。本研究では、ヘムオキシゲナーゼmRNAがヒト脳で発現していること、種々培養細胞においてNOドナーによってヘムオキシゲナーゼ1mRNAの発現が誘導されることを証明した。またヘムオキシゲナーゼ1の発現は、ラットでは熱ストレスで誘導されるが、ヒトでは誘導されない。ヒトヘムオキシゲナーゼ1遺伝子の5′上流領域にはheat shock responsive elementが存在するが、その下流にあるpurine-rich regionがsilencerとして働いていることを明らかにした。さらに、ヘムオキシゲナーゼ1遺伝子の転写に働く蛋白MTB-Zfのクローニングに成功し、MTB-ZfのmRNAがヒト脳で発現していることを証明した。
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