糖尿病の遺伝子治療における糖濃度によるインスリン産生調節系の開発
Project/Area Number |
07770820
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川上 康 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70234028)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子治療 / 導入遺伝子発現制御 / インスリン |
Research Abstract |
遺伝子治療をおこなう際に、導入遺伝子の発現調節は重要な課題である。本研究は糖尿病の遺伝子治療モデルにおいて、導入インスリン遺伝子の生理的な発現調節として糖濃度によるインスリン分泌制御の開発をめざした。 下垂体細胞株GH3にヒトインスリン遺伝子、ラットGLUT2遺伝子、ラットグルコカイネース遺伝子を重複導入した。遺伝子導入はアデノウイルスカセットを用いておこなった。GLUT2遺伝子、グルコカイネース遺伝子の発現が膵β細胞レベルでは糖濃度とインスリン産生は比例しなかったが、両遺伝子を膵β細胞の5倍に過剰発現させたところ糖濃度に比例してインスリン産生の増加が認められた(糖濃度5mMから20mMで8.3倍)。インスリン/プロインスリン比は産生量が増加した際にも変化はなかった。経時的変化では糖濃度増加後10分で既に培養液中のインスリン濃度は増加し反応が認められた。 GLUT2遺伝子、グルコカイネース遺伝子を過剰発現させたGH3トランスフェクタントをアガロースマイクロカプセルに封入した後にストレプトゾシンにより糖尿病としたラットに移植した。移植前の血糖値は摂食前後で220および330mg/dlであったが移植後には摂食前は100mg/dlと正常化し、摂食後も180mg/dlと血糖値上昇は抑制された。移植前の血中インスリン濃度は0.2μg/mlであったが移植後には、摂食後の血糖値上昇時に10.6μg/mlと上昇がみられた。また血糖値が80mg/dl時には血中インスリン濃度は0.8μg/mlと抑制た。これらより生理的な発現調節としての糖濃度によるインスリン分泌制御モデルは開発された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)