Project/Area Number |
07770822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 祐司 東京大学, 医学部附属病院(分), 助手 (50221396)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | cADPR / 細胞内Ca濃度 / Ca oscillation / ryanodine |
Research Abstract |
ホルモン分泌細胞内のCa^<2+> oscillationの機構としてcADPRを介するCICR機構が存在する事、また、このカルモデュリン依存性を示すこの機構のより詳細な分子機序を明らかにする事、が本研究の目的である。【cADPRの作用機序】初期のモデルでは、cADPRがRyanodine受容体様Ca^<2+>チャネル(RyRLC)に結合開口させる事で、小胞体からのCa^<2+>放出を起こすと考えられてきた。本研究要旨提出時点での私のモデルはこれを更に押し進めたものであり、そこにカルモデュリン依存性機構が介在する事、更にカルモデュリン・カフェインの作用部位をも想定したものであった。今回の研究により、私はcADPRそのものがCa^<2+>放出を起こすというより、cADPRの存在下に小胞体外のCa^<2+>が小胞体内からのCa^<2+>放出を起こすという現象を観察した。細胞内のcADPR濃度にoscillationがあるかという点もcADPRのoscillation構成機序解明に重要であり、検討を行った。測定法がpreliminaryではあるが、ペア-ド陰イオン交換HPLCと逆相HPLCを組み合わせた方法によれば、細胞外アゴニスト刺激によりcADPR濃度は緩徐な一相性の上昇しか示さなかった。これはcADPRの細胞内作用がイノシトール3リン酸(InsP_3)のようなセカンドメッセンジャーとは若干異なりむしろモデュレーター的なモノである事を示唆する。これらの結果は私の最初のモデルの正しさを裏付け更に押し進めるもので、現在は、小胞体外に放出されたCa^<2+>がカルモデュリンとの結合およびcADPRの共存下に更なるCa^<2+>を来してゆくという発展型モデルを想定している。【cADPRを介するCICR機構の存在】GH_4C_1細胞において各種カルモデュリン拮抗剤はCa^<2+> oscillationに抑制的に働いた。これは、間接的ではあるが上記のモデルを支持する。cADPR拮抗剤の細胞内注入実験は現在進行中である。なお、Zaidiらの観察で認められたcADPRの細胞外(破骨細胞)からの作用も興味深い点ではあったが、我々の実験系では(細胞系を継代培養細胞以外にラット初代培養細胞系などにも拡大して検討してみたが)認められかなった。【cADPRの作用ターゲットの同定と作用機序のより詳細な解明】以上の観察により、cADPRが細胞内Ca^<2+> oscillationに関与している間接的な証拠はかなり固まってきたが直接的な証明には作用分子・部位を同定する事と、その分子の存在を直接細胞内で証明する必要があり、この事こそ、間接的証明のこれ以上の積み上げより重要と考えられた。現在までにクローニングされているRyRLCは3種類ありいずれもcADPRの作用のターゲットと想定されてきているが、用量依存性などが異なるなど似て非なる分子である可能性が高いと考えている。現在このギャップを埋める意味で、ウニ卵細胞に存在するcADPRターゲット分子の単離同定・クローニング、これとhomologousな分子のヒトライブラリからのピックアップに着手した。
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