Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
今回我々は,AML1の血液細胞の分化・増殖における機能,ならびに転写制御における活性を検討した.その結果,1. AML1aは,32Dc13細胞の顆粒球への分化を抑制し,さらにAML1bは,このAML1aの作用をキャンセルする.2. AML1bはPEBP2 siteに対し転写活性を有する.AML1aは,それ自身は転写活性化能をもたないが,AML1bによる転写活性をdominantに抑制する.3. AML1aは,AML1bに比べ高いaffinityでPEBP2 siteに結合する.ことが明らかとなった.3.により,AML1aのAML1bに対するdominant negativeな作用は,PEBP2 siteへの結合の競合によるものであると考えている.また,1.と2.の結果より,AML1による転写活性化が,血液細胞のmyeloid系への分化に必須なものであることが推定される. 次に、AML1の構造異常がどのようなメカニズムでleukemic transformationをひきおこすか調べるために、t(3 ; 21)により産生されるAML1/Evi-1融合タンパク質の機能解析を行った。この結果,融合タンパク質が転写因子として独立した2つの機能(1. AML1による転写活性化へのdominant-negativeな作用.2. Evi-1の第2zinc fingerドメインに依存したAP-1活性の上昇作用)を担うことが判明した。さらに,、AML1/Evi-1のmyeloid系への分化に対する影響を解析するために、32Dc13細胞において、AML1/Evi-1融合タンパク質および第2zinc fingerドメイン欠失変異体をstableに発現するクローンを樹立して解析した。その結果、融合タンパク質のAML1由来部位とEvi-1由来部位は、各々独立してmyeloid系への分化の抑制に関与することが明らかとなった。
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