ヒト赤芽球を用いた細胞膜蛋白の発現と分化に関する分子細胞生物遺伝学的研究
Project/Area Number |
07770882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
和田 秀穂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70191830)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 赤血球膜蛋白 / ヒト赤芽球 / 分子細胞生物遺伝学 |
Research Abstract |
ヒト赤芽球における赤血球膜蛋白band4.2の発現と分化に関して、骨髄赤芽球および培養赤芽球(ヒト末梢血BFU-Eを利用した二相性液体培養法)を用いて解析した。 (1)遺伝子発現については、赤芽球からRNAを抽出し、cDNAを得た後、RT-PCR法を用いて検出した。蛋白発現に関しては、Western blot法で解析し、その蛋白発現の局在については、透過型電子顕微鏡を用いたimmunogold法で検討した。 Spectrinが、赤芽球系前駆細胞から未熟赤芽球段階ですでに発現しているのに対して、band4.2はlate erythroblastの後期になり急速に発現してくることが判明した。Western blot法で他の主要な膜蛋白(band3、band4.1)の発現と比較すると、band4.2は、最も遅く発現する蛋白であると考えられた。immunogold法では、赤芽球の成熟とともにband4.2の発現量は増加した。さらに脱核直後の細胞(網赤血球)では、band4.2の細胞膜分布に明らかな変化を認め、核が放出された細胞膜直下にband4.2蛋白がclusterを形成する現象が確認された。 Band4.2のmRNA量の関しては、未熟赤芽球でも検出可能であり、成熟赤芽球では、網赤血球の約4倍量のmRNAが発現されていた。またRT-PCR法では5つのアイソフォームが同定された。シークエンスの結果、これらは、exon1、3、5の各々の組み合わせによるスプライシングアイソフォームで構成されていることが推測された。 (3)赤芽球成熟とともにcytoskeletal networkがほぼ完成し、integral protein(band3など)が脂質二重層に組み込まれ、基本膜骨格が形成された後になって、初めてband4.2が組み込まれ、膜蛋白が完成していく過程が、以上の研究から明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)