腎糸球体疾患における線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーの関与
Project/Area Number |
07770911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30187124)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | FGF2 / 糸球体上皮細胞 / Bowman嚢上皮細胞 / 尿細管間質病変 / メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
1)糸球体上皮細胞障害とFGF2 昨年、ラット糸球体上皮細胞障害モデルであるPuromycin Aminonucleoside (PAN)腎症を作成し、FGF2の関与を報告した。本年度は、更にPAN腎症モデルに外因性FGF2、FGF2中和抗体を投与し経過の変化を観察した。外因性FGF2投与により蛋白尿の増加、糸球体上皮細胞障害の助長、Bowman嚢上皮細胞増殖による癒着病変形成が観察され、逆に中和抗体投与によりこれらは変化は軽減された。以上は糸球体上皮細胞障害とそれに連続するBowman嚢上皮細胞増殖による癒着病変形成にFGF2が重要な役割を演じていることを示唆している。 2)メサンギウム細胞の形質とFGF受容体の関係 メサンギウム細胞増殖モデルであるThy1腎炎モデルにおいて、メサンギウム細胞増殖期にFGF受容体のmRNAが発現していることを明らかにした。この時期に外因性FGF2を投与するとメサンギウム細胞増殖が惹起され、細胞外基質の増加が観察される。このFGF受容体発現メサンギウム細胞は、αsmooth muscle actin染色が観察され、形質の変化とFGF2受容体発現の関係が明らかになり、形質転換した易増殖性(活動性)メサンギウム細胞の成長因子との関係を明らかにした。 3)尿細管障害とFGF2 急性虚血性腎障害ラットモデルの尿細管細胞増殖期にFGFあるいは受容体のmRNAが発現し、この時期に外因性FGF2を投与すると尿細管障害が増強し、間質に肉芽腫様の変化が観察され、尿細管間質病変の増悪が観察された。各種腎疾患の尿細管間質障害にFGF2が関与している可能性が示唆された。 4)本年度の総括 各種腎障害モデルにおいてFGF2の関与を明らかにし、その生理作用の解明を外因性FGF2や中和抗体投与により行った。今後の遺伝子発現による確認を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)