Project/Area Number |
07770932
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米原 啓之 東京大学, 医学部(病), 助手 (00251299)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 血管内視鏡 / 血管吻合 / 血栓形成 / 血管内壁損傷 / 血管狭窄 |
Research Abstract |
血管吻合を用いた手術手技は現在広く利用されている手技である。この血管吻合を用いた手術の重大な合併症として血栓形成があり、この予防および除去は重要な問題である。今回微小血管吻合後の血栓形成過程を観察し形成原因を解明する目的で実験を行った。 実験では径が0.5mmの血管内視鏡を用いて、実験動物において血管吻合を行った部分の血栓形成過程を経時的に観察した。使用した実験動物は、家兎およびラットであった。 血管内壁の損傷が血栓形成に与える影響を調べる目的で、大腿動脈および静脈に縦方向に切開を加え同部分を縫合し、血管が部分的に狭窄するようにしたモデルを作成した。この結果では、静脈の縫合部分に血栓形成が、血行再開後20分で認められた。一方、動脈の縫合部分では血栓形成を認めなかった。 同様に、血管内壁の横方向の部分的な切開縫合が血栓形成に与える影響についても、観察を行った。この実験では意図的に血管内壁に縫合する損傷が生じるようにした。この結果でも静脈では内腔に縫合後10分で血栓形成を認めたが、動脈では結成形成を認めなかった。 血管吻合部分の血栓形成が生じやすくするために、吻合部分の内壁に一部損傷を加えた後、全周性に吻合したモデルを作成観察した。この結果では吻合10分後より動静脈ともに血栓形成が観察された。この過程において静脈の吻合部では、血栓形成は吻合部分より中枢部分に認められ、次第に抹消部分に拡大して行く状態が観察された。一方動脈吻合モデルの観察では、血栓形成は吻合部分より抹消部分に認められ、吻合部分より中枢部分には血栓形成を認めなかった。 以上の実験結果より、吻合部分の血栓形成過程は、動脈の吻合、静脈の吻合それぞれにおいてその形成機序が同一ではなく。さらに、その内膜の損傷の程度や狭窄の状態によっても異なると考えられた。
|