Project/Area Number |
07770941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鎌田 義彦 琉球大学, 医学部, 講師 (10177561)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 末梢動脈血行再建 / 術後晩期閉塞 / 仮性内膜肥厚 / 内皮細胞 / 壁面剪断力 / 末梢血管抵抗 / コラーゲン / 細胞培養 |
Research Abstract |
末梢動脈血行再建における術後晩期閉塞の原因となる末梢側吻合部の仮性内膜肥厚の形成機序および制御策解明を目的とする。 1)雑種成犬の膝窩動脈、大腿動脈分枝を結紮離断して末梢血流抵抗の高い異常流れを作成し、その中枢側で大腿動脈自家静脈バイパス移植術を行った。対側後肢は正常流れでバイパス移植術を行い対象とした。経時的に移植片ならびに吻合部を採取し、免疫組織化学的に肥厚内膜における各種コラーゲンの分布状況を検索た。 結果:3ケ月以上経過した末梢抵抗の高い群では、正常流れ群に比べ末梢吻合部で内膜肥厚が認められ、その肥厚はtoe部分で最も著しく、この部分では内腔に接する内皮細胞直下のコラーゲン分布が肥厚を示さない部分に比べ、免疫組織化学的に疎であった。 2)60ヘルツの頻度で静止状態から180度/秒の角速度を0.5秒維持し、再び静止状態に戻る回転円盤装置を作成し、この上に犬血管内皮細胞を飽和状態にまで培養した直径8.4cmのガラスシャーレを載せて72時間培養を続けた後、抗I、III、及びIV型カラーゲン抗体を1次抗体として、免疫組織化学的に各コラーゲン量をシャーレの中心より1cmの領域および3cmの領域で画像処理を加えて半定量的に検索比較した。 結果:I型コラーゲンでは1cmと3cmの領域でのコラーゲンの染色濃度に差はなかった。III型コラーゲンでは3cmの領域が1cmの領域より12.2%濃く染まった(壁面剪断力の大きい所でより多くのコラーゲンが産生されていた)。IV型コラーゲンでは1cmの領域が3cmの領域より16.3%濃く染まった(壁面剪断力の小さい所でより多くのコラーゲンで産生されていた)。 考察)内膜肥厚は平滑筋細胞の増殖およびコラーゲンなどの産生増加という観点から多く研究されているが、本研究は内皮細胞のコラーゲン産生量の調節による内膜肥厚の制御のメカニズムを示唆する。
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