Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
大腸癌手術材料31例より採取した癌組織と正常粘膜よりTritonX-100可溶性および不溶性蛋白質を抽出し,抗Ubモノクローナル抗体を用いたimmunoblotにより癌部に異常蓄積しているUb化蛋白質を検索した.不溶性分画において,分子量約45kDaの部位に正常部に比し癌部で増強するバンドが認められた.このUb化蛋白質は2次元電気泳動上では,分子量45kDaと42kDaのスポット群に対応し,特に42kDaのスポット群は癌部に特異的に観察された.また,この42kDa Ub化蛋白質を2次元電気泳動により単離精製し,その部分アミノ酸配列決定を試みた.この蛋白質の蓄積は,正常部には1例も認められなかったが,癌部においては早期癌(7/9例、77.8%)から進行癌(18/22例、81.8%)にいたるまで高率に認められた.以上より,大腸癌において分子量45kDaと42kDaの不溶性Ub化蛋白質が蓄積することが示され,このうち42kDaのUb化蛋白質は,正常粘膜には認められず癌組織に特異的に発癌早期より蓄積することが明らかとなった.これらのUb化蛋白質が癌細胞において蓄積するメカニズムやその生理的役割については,今後の検討を要するが,この蛋白質の蓄積が大腸癌の発癌および癌細胞の特性に深く関わっていると考えられた.
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