乳癌組織のaromataseの発現調節に関する基礎的検討
Project/Area Number |
07770966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
内海 俊明 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10176711)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | aromatase gene / breast cancer / alternative splicing |
Research Abstract |
aromatase(estrogen synthetase)は性腺のみならず、性腺外の組織にも広く発現しており、多重エクソン/プロモーターの選択的スプライシングにより組織特異的に発現調節されていると考えられる。以前、報告した如く乳癌患者では患側乳房においてaromataseの酵素活性は乳癌組織では非癌部乳腺組織より高く、乳癌組織ではエストロゲンの局所産性が亢進している(日本外科学会雑誌90(6)920-927 1989)。乳癌におけるaromataseの発現調節、亢進のメカニズムをDNAレベルで解析した報告はなく、平成7年度はこの検討を行なった。 乳癌患者49例より得た乳癌組織49サンプルおよび非癌部乳腺組織16サンプルについてaromatase mRNAの定量と転写に際して用いられる多重エクソン1の同定をRT-PCR法にて解析した。mRNA量は癌部(4.53±0.66x10^<-3>amol/μgRNA)で非癌部(1.73±0.40x10^<-3>amol/μgRNA)に比し有意に(p<0.01)高値を示した。非癌部のaromataseのmRNAは全例とも大部分がエクソン1b(皮膚繊維芽細胞型)が選択されていた。癌部の23例は非癌部と同様、エクソン1bが選択されていたが、他の26例はエクソン1bからエクソン1c(卵巣型)へのスイッチングが観察され、エクソン1bが選択されていた乳癌に比し、エクソン1cへスイッチングした乳癌のほうがリンパ節転移率が高い傾向を認めた。このような組織特異的エクソン1/プロモーターによる発現制御系スイッチングによりaromataseの発現異常を生じさせ、局所におけるエストロゲンの過剰産生を引き起こし、乳癌の増殖、進展に寄与するものと考えられた。現在、いかなる因子でスイッチングを生じているのか、検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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