Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
5-FUのプロドラッグであるDoxifluridineやTegafurは、ヒトにおいては、主にthymidine phosphorylase(TP)によって5-FUに変換される。そこで、ヒトcell line(PC-3,PC-9,AGS,SW480,Lovo,Colo201,T47D)を対象にTP活性とin vitro Doxifluridine感受性との関係を検討したところ、両者には非常に強い相関性が見出された(r=0.92,P<0.01)。さらにTP活性を発現するplatelet derived endothelial cell growth factor(PD-ECGF)cDNAをヒト肺腺癌cell lineであるPC-9cellにトランスフェクトし、Doxifluridine、Tegafurに対する感受性の変化を検討した。トランスフェクタントのTP活性は約50倍に上昇し、それに伴い、Doxifluridine、Tegafurに対する感受性(IC_<50>)はそれぞれ160倍、26倍に増強した。また、5-FUに対する感受性も8倍増強した。bystander effectの検討では、トランスフェクタント10〜20%にてbystander effect陽性の結果を得た。今回のシステムでのbystander effectには、細胞の接触を必要としないことも確認された。これまでの結果は、PD-ECGF遺伝子が癌遺伝子治療に応用できる可能性を示唆するものと考えられる。 今後、今回のシステムをin vivo薬剤感受性検査に発展させていく一方で、今回得られたトランスフェクタントを利用して、PD-ECGFの新生血管作用の研究も進めていきたい。また、トランスフェクタントにおいて、5-FUに対する感受性までもが増強したことは、興味深いことであり、そのメカニズムの解明も進めていきたい。
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