Research Abstract |
大動脈解離の急性期手術成績はいまだ満足するものではなく,より低侵襲な治療法を考える必要がある.そこで,急性期に何らかの方法でエントリ-を閉鎖してしまい偽腔を血栓化せしめることによって合併症を防止することを考え,ステントグラフトを考案した.本研究の目的は,経血管的に誘導したステントグラフトが偽腔を血栓化せしめるかどうか,また遠隔期において組織修復がおこなわれるかどうかをあきらかにすることである. 【ステントグラフトの作成】 ステントとして0.35mmステンレスワイヤーを用いGianturco stentを自作した.これを2連タンデムにしたものを多孔質セグメント化ポリウレタン膜(Cardiomat)を用い作製した極薄の人工血管内にstentを広げた状態で内挿した.これでステントグラフトが完成したことになる.これをおりたたむと12Frのシースの中に挿入することができた. 【大動脈解離の作成とステントグラフトの留置】 現在,動物実験においてこのステントグラフトの効果を判定しているところであり,結論をだすまでには至っていない. 実験動物としてブタを用い,開胸下に下行大動脈に大動脈解離を作成する予定である.これが完成後に,ステントグラフトの効果を確認する予定である.
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