Research Abstract |
gliomaにおける浸潤を解明するひとつの糸口としては、細胞外マトリックスに関与する酵素群の発現を明らかにしていくことである。gliomaの各浸潤度における手術材料からこれらのことを明らかにしつつある。これまでの実績とこれからの展望について報告する。 1)glioma手術材料の獲得 今までに獲得した凍結手術材料とこの1年間採取したサンプル約40例のリストを作成した。low grade glioma 10,anaplastic astrocytoma 20,glioblastoma 10例であり、それぞれの患者症例の治療歴(手術摘出度、放射線、化学療法の有無、生存期間)を表記した。さらにMIB-1抗体による免疫組織化学的手法により、腫瘍増殖能の評価をおこないつつあるところである。これらサンプル各500mgに対し、total RNAの採取を行い、UV spectrophtometerにてRNAの定量を行った。 2)RT-PCRの確立 各MMP,TIMPのmRNAの発現量を定量する目的でRT-PCRの実験系の確立を行った。RNAよりreverse transcriptaseを使用することにより、first strand cDNAを作り、各primerをもとにPCRを行い、産物を1〜1.5%のagarose gelに電気泳動した。UVにて可視化した後、bandをpersonal computerにとり込み、densityを測定した。問題となるcontrolとしてはG3PDH遺伝子を使用して、各サンプルでcontorolとの比をとり発現量を評価した。 3)primerの作成 各サンプルに対し、MMP-1,2,9, TIMP-1,2のcDNA塩基配列を調べ、coding regionを含むように、primerを設定した。これらの材料を使用し各酵素の発現を調べる予定である。 4)展望 同一症例で腫瘍の進展に従いサンプルを確保したものがあるが、このような例ではMMP,TIMPの発現の変化していることが予想される。
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