Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
目的 4種類のcyclin/cdk阻害蛋白(p21,p16,p27,p15)に焦点を当て、遺伝子の構造的異常、機能的障害について解析した。本研究では、まず神経膠腫の発癌に特異性の高い阻害蛋白を同定し、この遺伝子の構造的異常と機能的障害を解明すること、さらにこの阻害蛋白を使い細胞周期を調節することが可能であるかどうかを検討し、最終的には悪性神経膠腫に対する増殖抑制療法を確立することが目的であった。研究実績 1)cDNAクローニング;ヒトcyclin/cdk阻害蛋白(p21,p16,p27,p15)のcDNAのプライマーを用い、RT-PCR法にて全4種類ともクローニングを試みた。このうちp21とp16に関しては至適長さの増幅断片を得て、TAベクターにクローニングした。部分的に塩基配列を決定し、ヒトp21、p16cDNAと確認した。2)発現量の解析;ヒト神経膠腫細胞株および患者手術摘出検体について、p21,p16,p27,p15のmRNA発現量をRT-PCRを用いて定量した。HeLa細胞と比較して3種類の神経膠腫細胞株T-98G、A172、U251における発現量は減少していた。患者手術標本3検体に関しても発現量はいずれも減少していた。3)ゲノムクローニング;p21、p16cDNAをプローブにしてヒトゲノムライブラリーよりゲノム(プロモーターを含めて)のクローニングを施行中である。4)in vivoにおけるp21、p16アンチセンス発現による神経膠腫培養細胞の増殖解析;P21、P16cDNAを発現ベクターに順向きと逆向きに再クローニングした。現在stable transformantを選別中である。結論 神経膠腫において、cyclin/cdk阻害蛋白(p21、p16)のmRNA発現量が減少していた。今後の方針 遺伝子構造異常だけでなく転写領域の解析ならびに、機能解析では遺伝子導入により増殖能の変化を検討したい。
|