Research Abstract |
幼若ネコ(1,3,7,13週齢)および成熟ネコ(1,3年齢)各2匹ずつを実験に用いた。全身麻酔後に定位的手術装置に動物を固定し、持続的に麻酔薬および筋弛緩薬を静脈内投与した。後頭葉皮質のarea centralis対応部に微小電極を挿入した。視覚刺激として六角形の格子反転刺激(0.9cycle/deg、3deg across)を用いた。視覚刺激部位は受容野中心から徐々に末梢へ遠ざけ、各部位を単独で刺激した。また、視野の2部位または全体を独立した複数の格子反転刺激で刺激し非線形システム解析法で解析し中心部の格子反転刺激のみの反応を抽出した。1、3週齢の幼若ネコでは、VEPのfast local component(FLC)は出現したがslow distributed component(SDC)は受容野中心でも出現しなかった。7、13週齢のネコでは徐々にSDCが受容野中心の中心部に出現し3度周辺にも広がりだし、1、3年齢では受容野中心より約12度末梢部の刺激でもSDCが誘発された。視野の中心部の刺激に加え末梢部を同時刺激した場合、受容野中心部のSDCはその振幅を減じ抑制的相互作用が見られたが、この相互作用も加齢により大きくなる傾向がみられた。 記録終了後に電極刺入部位にDi-Iを注入し灌流後、脳をホルマリン固定し顕微鏡切片を作成した。機能円柱の概念から、ある特定の部位が1mmおきに染色されるのではないかと予想したが、Di-Iの染色自体が不十分で有効なデータが十分に集まらなかった。
|