虚血脳修復機構における神経栄養因子発現と臨床応用にする研究
Project/Area Number |
07771132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
飯原 弘二 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (90270727)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Neurotrophic factor / Delayed neuronal death / Ischemia / Receptor |
Research Abstract |
1)ラット局所脳虚血モデルを用いて血小板由来増殖因子(PDGF)b受容体のmRNA,蛋白の発現を検討した。ノザンブロット解析では、虚血側大脳皮質においてPDGFb受容体のmRNA発現は術後16時間より増加し、4日でピークに達し以後減少した。免疫染色では、PDGFb受容体蛋白の発現は、術後4日で梗塞巣周囲の神経細胞、グリア細胞、および梗塞巣に蓄積した脳マクロファージに認められた。本研究は、虚血脳においてPDGFb受容体のmRNA,蛋白の発現が著明に増加することを初めて証明したものである。さらに局所脳虚血モデルにおけるPDGF-B鎖発現の増加と共に、特異的受容体であるb受容体の発現が、虚血脳における神経細胞の保護、グリオーシス、脳マクロファージの集積などの一連の修復過程に関与することを示唆するものである。 2)ラット前脳虚血モデルを用いてBrain-derived neurotrophic factor(BDNF)の特異的受容体である、trkBmRNA,蛋白の発現を検討した。trkB mRNAの発現は術後4時間をピークに、主に海馬CA1錐体細胞、Dentate Gyrus顆粒細胞に著明な発現の増加が認められた(対照の約2倍)。免疫染色を用いてtrkB蛋白の局在を検討すると、mRNAの局在と一致して、海馬DA1錐体細胞、Dentate Gyrus顆粒細胞に術後4時間をピークに発現の増加が認められた。本研究は、脳虚血後の遅発性神経細胞死にBDNFおよびtrkBの発現が関与することを証明したものである。 3)ラット前脳虚血モデルを用いて血小板由来増殖因子(PDGF)-AA,-BBの脳虚血後の遅発性神経細胞死に対する抑制効果を検討した。対照群に比較してPDGF-BBには著明な保護効果があるのに比し、PDGF-AAには明らかな保護効果は認められなかった。本研究は、PDGF-BBが遅発性神経細胞死に対する抑制効果を有することを初めて証明したものであり、臨床応用に期待が持たれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)