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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
神経切断後中枢側神経変性を解析する前段階として,ラット下腿骨格筋(ひらめ筋,長指伸筋)の神経を切断し,同一の神経を再吻合して,自己神経で骨格筋を再支配させ,その筋構成蛋白をピロ燐酸ポリアクリルアミドゲル電気泳動法およびそのデンシトグラムよりミオシンアイソフォームの分析を行った. その結果,1)自己神経再支配筋では,脱神経筋と異なり泳動上のバンドの濃度低下は認められなかった.2)基本的にひらめ筋では,SM,長指伸筋ではFM/IMが優位であった.3)神経再支配の途上でひらめ筋,長指伸筋ともにSMが有意に増加した.4)術後24週のSM含有率は術前と比較してひらめ筋で増加,長指伸筋で減少した. 自己神経再支配モデルにおいて一過性に見られるSMの増加は,神経再支配が開始されていることを示す所見として意義がある.異所性に筋肉を移植した場合には,支配神経や緊張性が変化するため,この所見のみで神経支配の成否を論じることは難しいが,外傷や手術などにより支配神経が切断された症例でこれが一期的に再縫合を受けた場合,術後にSMが増加すれば順調に神経再支配が開始されており,逆に泳動上の濃度が低下してFM/IMは優位になれば神経縫合部に何らかの障害が存在する可能性を示唆する.したがって,このような術後のSMの一過性の増加は,神経縫合を施行された症例において,術後神経再支配の成否を判定する指標として臨床的にも十分に応用可能であると考えられた.
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