膝関節弛緩性に及ぼす運動負荷の影響-膝関節スポーツ障害における内的因子・環境因子の解明-
Project/Area Number |
07771150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
縄田 耕二 鳥取大学, 医学部, 助手 (90252858)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Exercise(運動) / Knee joint laxity(膝関節弛緩性) |
Research Abstract |
【目的】膝関節は主に軟部組織によりその安定性が維持されている粘弾性体である。したがって、膝関節のスポーツ障害の予防法の確立と、受傷機転の解明には、安静時の関節安定性の評価に加え、運動負荷によって生じる安定性の生理的変化の態様を解明する必要がある。そこで、各種運動負荷の前後で膝関節弛緩性を測定し分析した。【対象と方法】軽度運動負荷(ME)群:大学男性運動選手10名20膝(平均21.6歳)に対し、(1)トレッドミル走行(7km/hr)の運動負荷を加え経時的に前後弛緩性を計測し、弛緩性の発現時期を検討した。(2)30分間走行の直前と走行後経時的に前後弛緩性と等尺性膝伸筋・屈筋力を測定し、弛緩性の回復の時間的推移を検討した。過剰運動負荷(EE)群:全日本トライアスロン皆生大会に参加した男性選手21名42膝(平均37.3歳)で、競技前日及びゴール直後に膝関節前後弛緩性を測定した。測定値より前方負荷、後方負荷における脛骨の大腿骨に対する変位量と、単位負荷あたりの変位量(compliance)を算出し、運動負荷の前後で比較検討した。【結果】ME群ではトレッドミル走行開始後20分で前方変位量が有意に増加し(p<0.01)、以後は走行中止まで一定値であった。30分走行後増加した前方変位量は経時的に減少し、走行中止後1時間で走行前値に回復した。この間、膝伸筋・屈筋力に変化を認めなかった。一方、運動量の過大なEE群でも競技後前方変位量が有意に増加していたが(p<0.001)、その増加量は両群間に有意の差が認められなかった。Complianceは両群とも前方負荷開始から151bまでの間で有意に増加していた。後方負荷による変位量とcomplianceは、両群とも運動負荷の前後で変化が認められなかった。【結論】膝関節弛緩性は加わる負荷量に相関せず軽度な負荷で短時間に増加し、運動負荷中は増加した弛緩性は一定の値であった。さらに、運動負荷の中止とともに増加した弛緩性は短時間で負荷前の状態に回復した。したがって、運動負荷により発生する膝関節安定性の変化は、短時間に弛緩性が増加・回復する可逆性変化であり、最大変位をきたす運動負荷量の閾値は低いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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