軟骨代謝における成長因子及びサイトカインの関連に対する研究
Project/Area Number |
07771156
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
泉 敏弘 北里大学, 医学部, 講師 (90253426)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 軟骨 / 成長因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
1.関節軟骨に対する成長因子の作用 成長因子は培養軟骨細胞の増殖や軟骨基質産生に影響を与えると報告されており、本研究では生体において塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の関節軟骨に対する作用を検討した。bFGFをラット膝関節内に注入することにより、初期には関節軟骨周辺における細胞増殖を引き起こし、続いて軟骨細胞への分化を生じた。つまり、bFGFは注射により膝関節において軟骨組織を増殖し再生する方向へと進めた。 2.軟骨における成長因子とサイトカインの関連 関節破壊の進展の機序を検討するために、成長因子とサイトカインの相互作用を検討した。手術時に採取したヒト関節症関節軟骨より得られた細胞においてbFGFに対するインターロイキン1 (IL-1)遺伝子の発現の変化をRT-PCR (Reverse transcription-Polymerase chain reaction)法を用いて検討した。関節症軟骨細胞よりRNAを抽出し、RT-PCR法によりIL-1a遺伝子の発現量を観察すると、関節症軟骨細胞においては正常軟骨細胞に比べて増加しており、bFGF投与によりIL-1aの遺伝子発現は正常関節軟骨と比較し関節症軟骨細胞において著明に増強した。つまり、関節症軟骨細胞では、bFGFに対するIL-1a発現において細胞の反応性が高くなっていることが示唆された。 3.軟骨組織において成長因子の発現を変化させる因子 成長因子が軟骨の代謝あるいは増殖修復に重要な働きをしていることがわかっているが、軟骨においてこれらの成長因子を調節している因子の一つにホルモンがあり、成長ホルモンについてその作用を検討した。ラットに成長ホルモンを注射し、肋軟骨組織における成長因子の発現を観察すると、bFGFとインシュリン様成長因子(IGF-I)は増加し、トランスフォーミング成長因子(TGF-β)は不変であった。つまり、これまで報告のあったIGF-IだけでなくbFGFも全身性のホルモンにより調節されているということがわかった。 さらに、正常軟骨細胞におけるサイトカインの役割を検討するために、培養軟骨細胞におけるサイトカインの影響を、種々の成長因子(TGF-β, IGF-I,およびbFGF)の遺伝子発現を観察することで検討している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)