オピオイド受容体の細胞内情報伝達機構における情報因子ホスホリパーゼA_2の役割
Project/Area Number |
07771231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠村 徹太郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (60263068)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | オピオイド / ホスホリパーゼ / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
疼痛治療に用いられてきた薬剤のなかでもっとも強力な物質は、麻薬性鎮痛物質である。麻薬性鎮痛物質は細胞表面のオピオイド受容体に結合して鎮痛効果を発揮する。しかしながら、オピオイド受容体の細胞内での情報伝達機構はサイクリックAMPを介するもの以外未だに確立されていない。 オピオイド受容体の細胞内情報伝達機構において脂肪酸の関与を明かにするために、オピオイド受容体のホスホリパーゼA2に及ぼす影響を調べた。オピオイドδサブタイプを発現している神経由来の細胞NG-108にオピオイドμサブタイプを発現させた細胞を用いて用いてホスホリパーゼA2の活性を測定した。測定方法は脂肪酸毎に定量できるDoleの方法を用いた。測定した不飽和脂肪酸は、ガンマーリノレン酸、アラキドン酸、リノール酸、オレイン酸の4種類であった。飽和脂肪酸のパルミチン酸とステアリン酸の2種類を同時に定量した。 10μMモルヒネの1から10分間の刺激によって4種類の不飽和脂肪酸の濃度は減少した。その低下は特にアラキドン酸に著明に現われた。飽和脂肪酸には有意な変化は認められなかった。 この結果はモルヒネのオピオイドのμ受容体の刺激によってホスホリパーゼA2の活性を低下させることを示唆する。ホスホリパーゼA2が選択的に産生すると考えられているアラキドン酸の変化が大きかったことも裏付けになると考えられる。 実験結果としてはデータの変動がやや大きく、測定方法の再検討が必要である。Doleの方法によるならばHPLCカラムの変更、そのほかの方法によるならば放射性同位元素による細胞ラベルなども実験精度をあげるために検討してみたい。 本年度の実験からは、神経由来細胞においてオピオイドのμ受容体の刺激により不飽和脂肪酸特にアラキドン酸の産生が抑制され、ホスホリパーゼA2の活性抑制が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)