Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
一過性脳虚血後の記憶機能と神経細胞間ネットワークの関連に対する軽度脳低温の作用について,以下のごとく研究を進め結果を得た. 絶食にしたラットをイソフルランで麻酔し,対照群と脳低温群の2群に分けた.対照群は頭蓋温を37〜38℃に,脳低温群は34〜35℃に維持した.10分間の前脳虚血後,回復させた.ラットをいずれの群に属すかわからないようにして,一週間後あるいは4週間後から虚血後神経障害評価を開始した.まず5日間連続して水迷路法を行い,記憶機能を検査した.5日目に脳を潅流固定し,微小管関連蛋白2(microtubuleassociatedptrotein2;MAP2)抗体を用いた免疫染色法で海馬CA1領域の樹状突起密度を求めた.海馬CA1領域の染色濃度をコンピュータで処理し,非虚血ラットに対する比率として表現することによって、客観性をもたせた.1週間後では,記憶機能および樹状突起密度とも対照群と比べて脳低温群が良好に保持されていた.4週間後では対照群は記憶機能が1週間後と比べて良好であり,脳低温群との差はみられなかった.また海馬CA1領域の樹状突起密度は脳低温群では,1週間後と比べて少ない傾向があり,対照群と比べて差はみられなかった.以上より,一過性脳虚血後の記憶機能は時間経過とともに改善する可能性があり,海馬CA1領域の樹状突起密度のみで規定されるものではなく,脳の他の部位との関連がより重要であることが示唆された.軽度脳低温が一過性脳虚血後の脳障害を軽減する作用は,特に亜急性期に著明であることが明らかになった。
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