Research Abstract |
1.研究の内容を十分説明し、同意を得られた40-69歳の結腸切除術を予定された患者5名を対象にして研究を行った。 2.対象患者を無作為にI群(pre-emptive analgesia群)とII群(非pre-emptive analgesia群)とに分けた。全員に硬膜外チューブを挿入し、I群はその直後に2%カルボカインを10-15mL注入してから全身麻酔の導入を行い、手術を開始した。II群はまず全身麻酔を導入し、手術開始1時間後に硬膜外チューブから2%カルボカインを10-15mL注入した。いずれの群もその後は1時間間隔で必要量のカルボカインをチューブから注入した。麻酔の導入はチオペンタールにて行い、亜鉛化窒素-セボフルランにて維持した。筋弛緩剤はベクロニウムを用いた。両群の患者において、A.手術室入室時(control)、B.手術開始直前、C.手術開始1時間後、D.手術開始2時間後、E.手術終了直後、F.手術終了2時間後の6時点で動脈採血を行った。検体をすみやかに冷却遠心分離器にて血しょうを冷凍保存し、血しょう中のACTH,ADH,epinephrin,norepinephrin,cortisol各濃度を測定した。 3.ほとんどの患者においてcontrolと比してC,D,E,F各時点で血しょう中の各ホルモン濃度が上昇していたが、対象数が少ないためI群,II群間で比較するには至っていない。 4.当初の予定数(20人)まで今後さらに対象患者を増やしてゆく予定である。研究費用については平成8年度科学研究費補助金(奨励研究A)を申請中である。
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