共焦点レーザー顕微鏡によるヒト肥大前立腺平滑筋細胞のカルシウム動態の検討
Project/Area Number |
07771287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗本 重陽 東京大学, 医学部附属病院(分), 助手 (30225271)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | α、受容体 / カルシウム / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
1.当研究を行うにあたり、平滑筋採集の組織内最適部位を決定するためにautoradiographyの画像解析を用いてα1受容体含有量の局在差の計測を行った。α1受容体含有量は部位により差異を示し、腺房の中心部の平滑筋は豊富に同受容体を有しており、交感神経を介した排尿障害の中心であることが示され、採集は同部位より行うことが望ましいことが示された。この結果の一部をHistochemical Journal誌に報告を行った。 2.前立腺肥大症患者より得られた前立腺組織より、腺房結節を同定し、ここから間質組織を分離し、培養を行った。この細胞にカルシウムと特異的に結合するFLUO-3を取り込ませ、α1受容体を特異的に刺激する、phenylephrineによる刺激時の動態の観察を共焦点顕微鏡で行った。その結果、次のことが示された。 1)同刺激により、細胞内のカルシウム濃度は著しい上昇を認めた。2)その変化は緩徐であり、かつpolyphasicであることが示された。3)刺激後の反応の緩徐さは特徴的であり、濃度変化が生じる迄に数分を要した。 この変化は、膀胱の平滑筋に見られるcarbachol刺激による細胞内カルシウム濃度の上昇が鋭敏かつ単一であるのとはpatternを異にする。このことは排尿に対し、前立腺平滑筋の作用は抑制的であり、かつこの抑制作用は、随意筋の補助的役割を示すためであると考えられた。 2.の内容についてはさらに定量的検討を行い、投稿準備中である。 以上のことより、前立腺平滑筋の収縮に対するα1受容体を介した細胞内カルシウムの動態が明らかになった。この結果をもとに、塩酸タムスロシン等の拮抗薬の投与によるpattern変化を解析し、作用機序の解明、より選択的な排尿障害治療の開発を行っていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)