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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ヒト腎癌細胞株Caki-1,KU-2,VMRCを用いて、シンバスタチンの増殖抑制効果およびコレステロール合成能に与える影響を検討するとともに、H-ras遺伝子の変異の有無について検討した。 1.増殖抑制効果については、Alamar Blueアッセイにて評価したところ、各細胞とも用量依存性に増殖が抑制され、各々のIC_<50>は、Caki-1 3.8μg/ml,KU-2 5.2μg/ml,VMRC8.9μg/mlであった。 2.コレステロール合成能の測定は各腎癌細胞株に各濃度のシンバスタチン投与72時間後に、C^<14>acetatreを添加し、C14cholesterol-digitonin complexとして抽出し、トルエンシンチレーターで活性を測定した。結果は、Caki-1,VMRCでは2.5μg/mlの濃度のシンバスタチンでコレステロール合成は完全に抑制されたが、KU-2では100μg/mlの濃度で初めて完全にコレステロール合成が抑制された。 3.H-ras遺伝子の変異はサザンブロッテイング法にて検討した。KU-2において再構成が認められたのみで、Caki-1,VMRCにおいては、遺伝子増幅、再構成とも認められなかった。以上より、腎癌細胞に対してシンバスタチンが増殖抑制効果を示すことが確認された。その作用機序はH-rasに異常を認めたKU-2と、異常を認めなかったCaki-1,VMRCともにシンバスタチンにより増殖が抑制されていることより、膵癌で言われているようなrasシグナルの阻害剤としての働き以外に、腎癌細胞のdenovoコレステロール合成の抑制も作用機序の一つとして考えられた。さらに、引き続きinvivoでの検討を行っているところである。以上の概要は、第10回腎癌研究会にて発表した。
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