エストロゲン依存性婦人科疾患における性ステロイド結合蛋白の生物学的意義
Project/Area Number |
07771367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
操 良 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40262761)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エストロゲン / 婦人科疾患 / 性ステロイド結合蛋白 |
Research Abstract |
1,代表的なエストロゲン依存性婦人科疾患である子宮内膜症において、細胞内におけるsex hormone-binding globulin(SHBG),corticosteroid-binding globulin(CBG)といったステロイド結合蛋白がin situ合成され、ステロイド作用機構の一部に関与していることが示唆され、子宮内膜症におけるSHBG/CBG比の上昇は、エストロゲン優位なステロイドホルモン環境を形成し、ステロイド受容体の面以外のエストロゲン感受性の増加に関連していることがわかった。 2,エストロゲン依存性腫瘍として知られている子宮内膜癌において、SHBGおよびCBGmRNAの発現レベルは分化度が低くなるにつれてその発現レベルは低くなる傾向にあり、子宮内膜癌の脱分化は細胞内におけるSHBGおよびCBGの発現の喪失を誘導することにより性ステロイド依存性が喪失していくと推察された。 3,黄体機能不全症例のうちプロゲステロン分泌低下を示すものは、子宮内膜が産生するSHBGが減少し、CBGが増加している可能性が推察され、内膜分泌像不全を示すものは、SHBGおよびCBGが関わる細胞内ステロイド環境が正常子宮内膜と変化がなく、従来報告されてきた受容体レベルでの差異が推察された。 4,正常卵巣および卵巣癌においてSHBGのin situ合成が示唆され、さらに卵巣癌の一部でSHBGmRNAの過剰発現が認められたことにより、SHBGmRNAの転写制御機構からの逸脱およびSHBG合成に関連した細胞内エストロゲン作用機構の変化が卵巣癌で生じていることがわかった。 5,子宮筋腫においてSHBGmRNAの発現レベルが子宮筋層より高いことより、正常組織である子宮筋層にくらべてエストロゲン感受性が高く保たれており、エストロゲン依存性の腫瘍増殖を助長する環境にあることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)