黄体退縮における黄体内の活性酸素とその消去系酵素の変化とその生理学的意義
Project/Area Number |
07771381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
杉野 法広 山口大学, 医学部, 助手 (10263782)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ラット / プロスタグランデインF2α / 黄体 / 黄体退縮 / 活性酸素 / 過酸化脂質 / SOD / 加齢 |
Research Abstract |
正常性周期を有する雌ラットを用い、proestrusの18:00とestrusの9:00に子宮頚管刺激にて偽妊娠ラットを作成した。黄体期中期の偽妊娠7日目、9日目と黄体退縮期の偽妊娠12日目にPGF2α(3mg/kg)を皮下注し、対照群には生食を皮下注した。投与2時間後に卵巣を摘出し、黄体内のsuperoxide dismutase(SOD)活性、glutathione peroxidase(GPx)活性及び過酸化脂質濃度と血中progesterone(P)濃度を測定した。血中P値は、偽妊娠7日目と9日目ではPGF2αにより有意に低下したが偽妊娠12カ月までは有意な変化はみられなかった。黄体内過酸化脂質濃度は、偽妊娠7日目ではPGF2αにより対照群の約2倍に増加し、偽妊娠9日目では2.5倍に、さらに偽妊娠12日目では対照群の5倍にも増加した。一方、黄体内SOD活性は、偽妊娠7日目と9日目ではPGF2αにより有意に増加したが偽妊娠12日目では有意の変化はなかった。尚、GPx活性は、PGF2αにより有為な変化はなかった。今回、PGF2αは、黄体内の過酸化脂質濃度を増加させ、さらにこの作用が黄体の加齢とともに亢進することを見いだした。また、黄体期中期の黄体ではPGF2αによりSOD活性が増加するが退縮期の黄体ではこの反応が認められなかった。即ち、黄体期中期の黄体ではPGF2αに対しSOD活性が増加するという防御機構が働くが退縮期の黄体ではこの機構が無くなっており、さらに退縮期の黄体ではPGF2αによる過酸化脂質の生成が亢進していることから、黄体は加齢に伴い酸化的障害を受けやすい状態となり、このことがさらに黄体退縮を促進するものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)