Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
今回我々は正常ヒト角化細胞におけるSCC抗原の発現に及ぼすCa^<2+>の影響およびPKCの関与について検討した.【方法】(1)正常ヒト角化細胞をマルチチャンバーに散布し、前培養後、各Ca濃度(0.15mM、0.5mMおよび1.0mM)に調整した培養液に交換し、培養3日目および5日目に、培養上清中および細胞内のSCC抗原濃度を測定した。測定にはSCC抗原に対するモノクローナル抗体を用いた全自動酵素抗体法を用いたIMxを使用した。(2)正常ヒト角化細胞を各Ca^<2+>濃度(0.15,0.5,1.0,および2.0mM)に調整した培養液で培養し,培養5日目にPhorbol-12-myristate-13-acetate(PMA)0,100nmolを含む培養液に交換し,経時的にAGPC法にてtotal RNAを抽出した.プローベにはSCC抗原cDNA EcoRI-PstI fragment(761bp)を用いてノーザンブロット法によって解析した.(3)大腸菌で発現させたSCC抗原(rSCC)をPKCとATP存在下で反応させin vitroでリン酸化されるか否かを2次元電気泳動法を用いて検討した。【成績】(1)Ca^<2+>はSCC抗原の細胞内産生を有意に増加させたが、培養上清中の放出量は逆に有意に増加させた。(2)SCC抗原mRNA発現はCa^<2+>濃度が上昇するに従い高くなったが、PMA添加によるSCC抗原mRNA発現の経時的変化は認めなかった.(3)rSCCはPKCによりリン酸化され酸性側にスポットが出現した。【結論】ヒト角化細胞におけるSCC抗原の細胞内産生およびmRNAの発現がCa^<2+>により亢進することが明らかとなったが,これはPKCを介した作用でなく、Ca^<2+>の直接作用によるものと考えられた.また,SCC抗原の多様性の一因としてのリン酸化にはPKCが関与していることが示唆された.
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