Project/Area Number |
07771447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
遠藤 史郎 山口大学, 医学部, 助手 (20223688)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 内耳 / 音響負荷 / 再生 / らせん神経節 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
強大音響負荷により障害を受けた鶏聴器有毛細胞が再生することが知られている。障害を受けた聴覚機能の回復には、音刺激感受機構である内耳有毛細胞の再生と共に、神経興奮伝達機構であるらせん神経節細胞の形態及び機能の温存ないしは回復が不可欠である。強大音響負荷後の聴覚上皮感覚上皮再生過程におけるらせん神経節細胞の形態、及び神経伝達物質の産生を検討することにより、聴覚機能回復の可能性を検討する目的で本研究を行った。 孵化後3日目の鶏に強大音響を与え、聴覚器官であるラゲナの有毛細胞有毛細胞に障害を与えた。音響負荷前及び負荷後2カ月まで経時的にらせん神経節を含めてラゲナを摘出した。感覚上皮、及びらせん神経節の形態学的変化を観察するとともに、抗グルタミン酸抗体を一次抗体とする免疫組織化学法により神経伝達物質の局在の変化を検討した。 音響負荷後1カ月をこえたらせん神経節において、ミトコンドリアの膨化や、細胞質内の空胞変性がみられたるものがあったが、その程度、全体に占める障害細胞の割合は比較的軽微であった。抗グルタミン酸抗体の染色性については、明らかな経時的変化はみられなかった。以上により、音響負荷により、神経興奮伝達機構であるらせん神経節の障害は、軽微なもののにとどまることが示唆された。しかし、音響負荷による有毛細胞の障害、回復の程度とらせん神経節細胞の変化は必ずしも一致せず、またコントロール群においても常に一定の抗グルタミン酸抗体による染色性が得られたとは限らなかったことを考えれば、内耳の機械的障害群との比較などを加え、さらに今後検討を続ける必要があると考えた。
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