Project/Area Number |
07771455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
梅崎 俊郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80223600)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 嚥下 / 上喉頭神経 / 延髄網様体 / 嚥下関連ニューロン / 脳冷却法 / ネコ |
Research Abstract |
嚥下運動における対称性出力形成の中枢機序を解明する目的でケタラール・ウレタン麻酔ネコを用い、以下の実験を行った。まず、延髄より単一の嚥下関連ニューロンを微小電極により細胞外記録し同側および対側の上喉頭神経刺激に対する応答様式を分析した。また微小冷却装置を用い、記録と対側の延髄背外側を定量的に冷却し、その近傍の神経活動を可送的に抑制した際の対側上喉頭神経刺激による効果について観察した。 その結果、延髄嚥下関連ニューロンは同側の上喉頭神経より順行性の入力を認め、孤束核の腹側および腹外側の網様体に多く認められた。それらのニューロンの多くは対側上喉頭神経からも順行性入力あるいは促通性効果を受けていた。また、それらのニューロンの存在する小細胞性網様体を延髄背外側より一側性に冷却することにより、咽頭粘膜自然刺激(注水)による嚥下の惹起性は著しく低下し、加温により速やかに回復した。さらに冷却側の上喉頭神経刺激による対側嚥下関連ニューロンへの順行性入力あるいは促通性効果は、冷却側の孤束核間質亜核での近電場電位が冷却前と同等に温存された場合においても著明に減少することが判明した。 これらの実験結果より咽頭期嚥下のパターンを形成する神経機構は孤束核より延髄小細胞性網様体にかけて両側性に存在すると考えられる。また小細胞性網様体の嚥下関連ニューロンは、介在ニューロンとして相互に対側の嚥下関連ニューロンへ投射し、左右の嚥下運動を同期させると同時に、左右のパターン形成機構へ相互に促通性効果をもたらし、嚥下の惹起性の調節においても重要な役割を果たしていることが示唆された。
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