耳音響放射による内耳機能の評価と内耳病態の解明に関する研究
Project/Area Number |
07771466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坂下 哲史 大阪市立大学, 医学部, 助手 (20205743)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 誘発耳音響放射 / 歪成分耳音響放射 / メニエール病 / 感音難聴 / 聴力閾値 |
Research Abstract |
1.以前よりメニエール病患者を対象とした誘発耳音響放射(EOAE)の検討を行ってきたが、本年度において新たに得られた知見を加え、本疾患に対するEOAEの有用性について総括した。 1)EOAEのパワースペクトラムで最大のピークを示す周波数(主周波数)は、メニエール病耳では低い傾向があり、しかもその主周波数は浸透圧利尿剤の投与によりより高い周波数へと変化することがある。 2)主周波数の変化が認められるのは、低音域の聴力が正常に近いときが多く、聴力の変化に伴わないこともある。 3)主周波数の値と聴力との間には明らかな関連はない。 4)聴力が変化していないにも関わらず、発作の前に主周波数が低い周波数に変化した症例を経験したことにより、発作前の内耳の変化をEOAEで捉えられる可能性がある。 5)以上より、EOAEは聴力検査では捉えられない内耳の変化を捉えることができ、初期のメニエール病の内耳病態の評価やめまい発作の予測などに有用な臨床検査となりうると結論した。 2.種々の感音難聴耳を対象にEOAEおよび歪成分耳音響放射(DPOAE)のパワーと純音聴力閾値との関連について周波数別に検討を行った。その結果、両耳音響放射ともに対応する周波数よりも高音域の聴力、すなわち蝸牛のより基底部の傷害の程度や範囲の影響を受けている可能性が判明した。今後はさらに年齢因子との関係も踏まえて、さらに詳細に検討する予定である。 3.基礎的研究としては、小動物よりの耳音響放射を効率よく記録できるようなシステム系を確立できるよう研究を進めている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)