網膜色素上皮細胞に対する新しい網膜内在性増殖因子の解析
Project/Area Number |
07771512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 圭一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50260435)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / SV40 large T. / 増殖因子 |
Research Abstract |
既に単離した、温度感受性SV40largeT抗原遺伝子導入マウス(以下tsSV40と略す)の網膜色素上皮(RPE)細胞及び神経網膜細胞を用いて実験を行った。このRPE細胞(RPET細胞)は温度感受性があり、また、その生存、増殖に同種の神経網膜細胞の培養上清(CM)が必要であった。このCMによる増殖効果は、RPE細胞に対する既知の主要増殖因子では見られず、またこのCMによる増殖効果は非常に劇的であった。このため、CM中のRPET細胞に対する増殖効果を有する因子の精製を試みた。この因子は熱処理および酸処理に対し不安定であったが、トリプシンに対しては安定であった。CMを中性条件下で、逆相高速液体クロマトグラフィーにより分画を試みたが、分画後の各フラクションにては、明らかな増殖効果は消失してしまい、精製が困難であった。 また、RPET細胞はラミニン上では形態変化を起こし、細胞は接着性が減少し、円形となり、培養液中に浮遊し増殖した。この浮遊したRPET細胞を、通常の何も塗布していない培養用ディッシュに移すと、細胞は速やかにディッシュ底に接着した。この現象はインテグリンのα6サブユニットの低下による可能性が強く考えられた。実際、免疫組織化学法にてRPET細胞表面にα6サブユニットは認められなかったが、生後2ヶ月の正常マウスのRPE細胞にもα6サブユニットの発現は極めて軽度であり、α6サブユニットの現象によるRPE細胞と視細胞の接着性低下、ひいては網膜剥離の発症との因果関係は明らかにすることは出来なかった。 今後、精製に関しては異なったカラムの使用による分画が、また、ラミニンに対する接着性の低下に関しては、免疫組織化学法以外の手法を用いた検討が必要と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)