Project/Area Number |
07771584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松島 正史 関西医科大学, 医学部, 助手 (00192336)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 網膜静脈閉塞症 / 血管新生因子 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 線維芽細胞増殖因子レセプター1 / 虚血 / in situ hybridization / 分子生物学 / 循環障害 |
Research Abstract |
網膜静脈閉塞症を実験的に作成し塩基性線維芽細胞増殖因子(basic-FGF)とそのレセプターの一つであるFGFレセプター1の発現をin situ hybridization法により検討した。実験動物として成熟有色ラットを用い、色素レーザーの577nmの波長を用い網膜静脈閉塞症と対照モデルを作成した。in situ hybridizationの結果は、正常網膜では、basic-FGF,FGFレセプター1ともに、網膜神経節細胞層および内顆粒層にmRNAの発現を示す染色がみられるが、網膜血管壁には染色を見なかった。経時的に静脈閉塞症モデルについてみると、FGFレセプター1、basic-FGFともに、処置後3時間、2日目ではmRNAの発現を示す染色は内顆粒層、視細胞内節に強くみられ、さらに網膜血管壁の細胞も強く染色されていた。処置後4日目以降には網膜内層の細胞成分は強い循環障害のため壊死に陥り、FGFレセプター1、basic-FGFのmRNAに対する染色もほとんどみられなかった。今回作成したレーザー凝固による静脈閉塞症モデルは強い循環障害を招くため臨床でみられる静脈閉塞症と違い数日で網脈内層の壊死を起こすが、高度の循環障害によるbasic-FGFおよびFGFレセプター1のmRNAの発現を、網膜内層が壊死に陥るまでの間観察することができた。その結果、網膜の層構造においては、内顆粒層及び視細胞内節において両mRNAの発現を示す染色が増強した。内顆粒層での発現は網膜内層の循環障害に対する反応と考えられ、視細胞内節での発現は、滲出性網膜剥離に対する反応によるbasic-FGFおよびFGFレセプター1の産生の増加を意味するものと考えられる。つまりこれらの細胞の侵襲に対して保護的に、basic-FGFが作用していると考えられた。また、網膜血管壁にもbasic-FGF、FGFレセプター1のmRNAの発現を示す染色が強くみられ、内皮細胞を含めた網膜血管壁を構成する細胞は、循環障害による虚血に対しbasic-FGFとそのレセプターであるFGFレセプター1の産生を増加させるものと考えられた。
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