消化管壁内神経叢の病態発生における神経堤細胞の増殖と自然死に関する形態学的研究
Project/Area Number |
07771593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
小児外科
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
下竹 孝志 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90254341)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / 消化管神経叢 / 神経堤細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では、マウス及び患児における消化管神経叢発生過程における神経堤由来細胞の増殖と自然死の観点から、特にヒルシュスプルング病及び同類縁疾患の病態発生について検討した。研究手法としては、マウス胎仔ならびに臨床検体を対象とした形態学的アプローチを主とし、増殖期細胞はBrdUの核内への取り込み或いはPCNAの特異的発現を、生理的細胞死を示しつつ細胞はTUNEL法を用いた核内DNAのfragmentationを指標にして可視化した。 マウスの各発生段階(胎生10日〜生後28日目)における消化管神経叢原基では、神経堤細胞は胎生10〜13.5日目に盛んに増殖しつつ口側から肛門側に向けて移動を示し、細胞の自然死は胎生13.5日から生後3日目にかけて筋層間及び粘膜下層の神経叢に確認された。従って、胎生の一時期には、神経堤に由来する神経叢を構成する細胞が生後と比較して極めて数が多い状態となる形態が観察された。これは、生後ヒルシュスプルング病と同様の病態を示す一群の類縁疾患症例の消化管神経叢の病的形態と一致しており、実際に生後2〜5日目に外科的に切除された検体(切除・生検)における同様の検索でも一部に神経系細胞の増加と自然死陽性と考えられる所見が得られ、それらの病態が神経叢の発達・成熟不全に由来する可能性が明らかになった。 これらの所見は、消化管神経叢の発達が中枢神経系と同様に、神経叢原基の細胞が一旦過剰に分裂増加したうえでその後に各消化管の発生学的・解剖学的環境に適応して細胞数を自然死によってコントロールし、成熟に至る至ることを示す結果として解釈することが可能であることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)