関節軟骨の形成過程における細胞外基質の特殊化に関する研究
Project/Area Number |
07771597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 助手 (30196191)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 関節軟骨 / 形成過程 / I型コラーゲン / in situハイブリダイゼーション / 免疫組織学 / グリコサミノグリカン / プロテオグリカン / ラット |
Research Abstract |
目的:(1)関節軟骨細胞が形成過程のどの時期に成長板軟骨には認められないI型コラーゲンの産生能を獲得しタンパクを軟骨基質に蓄積するのかを検索するために、関節軟骨の形成過程におけるI型コラーゲンの遺伝子発現をin situハイブリダイゼーションを用いて、またタンパクの発現を免疫組織学的に検討する。(2)コンドロイチン4硫酸、コンドロイチン6硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン-プロテオグリカン(GAG-PG)が関節軟骨の形成過程においてどのように変動するのかについて、各GAG-PGに特異的なモノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討する。 方法:生後1週、5週、及び11週の雄性Wistar系ラットの脛骨を観察の対象とした。ラットを麻酔下に4%パラホルムアルデヒドを用いて浸漬あるいは灌流固定後、下肢を摘出しEDTAで脱灰した。通法に従いパラフィンに包埋し連続切片をつくり、隣接の切片を用いて関節軟骨の形成過程を以下の方法で検討した。(I)I型コラーゲンに対するin sutuハイブリダイゼーション(ディゴキシゲニン標識RNAプローブを用いた。)及び免疫組織学。(2)GAG-PGに対する免疫組織学。 結果及び考察:生後1週齢のラット脛骨の骨端はすべて軟骨から成り、関節軟骨は成長板からまだ分離していなかった。生後5週齢においては骨端の骨化が進み、関節軟骨は成長板から分離し形成の途上にあった。11週齢において関節軟骨の形成はほぼ完了していた。I型コラーゲンに対する免疫反応は1週齢で骨端の軟骨表面に限られていたが、5週齢から11週齢にかけて陽性反応は関節軟骨深層に広がっていた。なお対照として観察したラット脛骨の成長板軟骨ではI型コラーゲンに対する免疫反応はいずれの週齢においても認められなかった。一方、I型コラーゲンに対して陽性のシグナルをもつ細胞は1週齢において骨端表層の軟骨に散在していた。5週齢では陽性の軟骨細胞は関節軟骨全層に見られ、11週齢ではシグナルの減少する傾向が認められた。また関節軟骨の形成過程において、GAG-PG特にコンドロイチン4硫酸に対する免疫反応性の低下が認められたが、成長板では反応性の低下は観察されなかった。 結論:関節軟骨は形成過程において成長板軟骨とは異なる細胞外基質の特性を獲得することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)