培養エナメル芽細胞の増殖開始機序とアメロジェニン分泌開始機序の研究
Project/Area Number |
07771608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | エナメル芽細胞 / 無血清培地下での初代培養 / アメロジェニン合成 / 増殖・分化の制御 / HGF / 細胞遊走化 |
Research Abstract |
当申請者のグループでは数年前からエナメル芽細胞の初代培養方法を無血清培地を用いて開発しつつ、その培養条件下における細胞の生理的特性や分化状態を研究している。そして、その成果のひとつとして、EGFを培地中に添加するとエナメル質形成の初期に現れるアメロジェニン陽性の細胞の割合が増えることを発見した。陽性・陰性の細胞数の計数から、EGF添加によりアメロジェニン非合成細胞がアメロジェニン合成細胞に分化したと判定でき、EGFがエナメル質形成開始に重要な役割を果たしていることが考えられた。そこで、本課題に示すとおり、このアメロジェニン合成開始機序の研究を中心にエナメル芽細胞の初代培養の系で、エナメル合成や細胞増殖を制御しうる因子を特定する作業を実験をさらに推し進めることにした。 本年度は、まず細胞増殖の検定系を改善するために、Crystal Violet法、PCNA法、BrdU法を我々の系でも利用できるようにした。これらはいずれも非RIの検定系でありながら、高感度、高精度で簡便であったため、多数の試料を検定することを可能にした。そこで、上皮-間葉の相互作用において重要な働きをしていると目されている肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth.Factor;HGF)の初代培養エナメル芽細胞における効果を調べた。その結果(1)HGFの濃度に依存した細胞数増加がCrystal Violet法により確認された。培地中20ng/mlまでの濃度が試されたが、6ng/mlが適正濃度であった。(2)初代培養下においては、エナメル芽細胞は、遊走細胞とクラスター形成細胞の2型を示すが、HGF6ng/ml存在下では、遊走細胞の割合が増える傾向が認められた。(3)2型それぞれの分裂活性をBrdUの2時間パルスで検定したが、それぞれの分裂活性には変化がなかった。以上の結果より、HGFは、エナメル芽細胞に対して、遊走性を持たせる効果があり、遊走性のエナメル芽細胞がもともとクラスター形成細胞より増殖活性が高いことから、全体の細胞数増加につながったと考えられた。これらの結果は、歯胚の器官培養におけるHGFの効果についての研究成果とも矛盾がなく、第37回歯科基礎医学会で発表を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)