Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
骨誘導物質(BMP)による骨誘導過程のメカニズムを明らかにするため,ラット背部皮下組織内にBMP-支持体複合体を埋入,1,2,3週間後に出現する軟骨細胞様細胞について超微形態学的に検索を行った。 ガラス線維膜を支持体とした場合,複合体表面に形成された軟骨組織内の細胞は,円形あるいは卵円形の核を持つ卵円形から長楕円形の細胞で,細胞表面には多数の細く短い細胞突起が認められた。細胞質内には発達した細胞内小器官と多数の小胞や多胞体が観察された。細胞周囲には太さ20〜30nmで周期構造の不明瞭な細く短小な線維の錯綜と,それらに付着する微細顆粒状の物質が観察された。これらの細胞とその周囲の基質の特徴は,正常な軟骨細胞の特徴と類似していた。 一方,支持体にコラーゲン膜を用いた場合に出現する軟骨細胞様の細胞は,円形または楕円形の外形を示し,細胞表面には多数の細く短い細胞突起が認められた。核は比較的なめらかな円形あるいは卵円形を示し,細胞質内には発達した小器官と特に多数の小胞が認められ,外形的には軟骨細胞に類似した形態を示していたが,細胞質内に骨芽細胞や象牙芽細胞に観られるような,細線維状の物質を含む分泌顆粒が多数観察された。また,細胞周囲には「型コラーゲンと思われるような線維はほとんど認められず,明瞭な周期構造を示す太いコラーゲン線維と,これら線維間に種々の大きさの石灰化球が観察された。 これらの結果から,BMPによる異所性骨形成過程に観られる軟骨細胞様細胞の一部には外形的には軟骨細胞様を示すが,細胞質内の小器官の特徴から骨芽細胞様の性格も有していることが示唆され,これらの細胞の出現の頻度に,用いる支持体の影響があると考えられた。また,これらの細胞質内に認められた分泌顆粒は,コルヒチンなどにより分泌を抑制された骨芽細胞や,象牙芽細胞内で特に多く認められることが知られていることから,これら骨芽細胞様細胞のコラーゲン蛋白,あるいは他の有機基質の生合成と分泌機能間での不均衡が示唆された。現在これらの細胞の機能的な特徴について,免疫電顕法により検索中である。
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